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Column
経営の知恵袋− 七転八起 −

2022.01.11

本当に効果的な「男性育休」を考える

個別経営塾, 就業規則, 相談顧問

改正の概要

今回の育児介護休業法の主な改正のポイントは以下の3点です。

 

 

ポイント1 分割取得

男性の育児休業取得促進のため、男性の育児休業を分割して取得できるようになります。分割の仕方としては、⑴産後8週間の間に最大4週間を2回に分けて取得できる⑵その後も2回まで分割取得できるようになります。⑴⑵を合わせると最大4回の分割取得ができることになります。

ポイント2 個別の周知・意向確認

育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置が義務付けられます。今後、以下の情報提供をすることが会社の義務となる点に注意が必要です。

  • 育児休業・産後パパ育休に関する制度
  • 育児休業・産後パパ育休の申し出先
  • 育児休業給付に関すること
  • 労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき 社会保険料の取り扱い

ポイント3 育児休業の取得の状況の公表

常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得の状況について公表が義務付けられます。

本当に効果的な育児休業とは

今回の法改正により男性が細切れに育児休業を取得できるようになり、子育て状況に合わせた柔軟な男性の育児参加を促すことが期待されています。一方で、授乳や入浴、寝かしつけ、予防接種、兄弟の保育園送迎など、子育てに関連するタスクは継続して日々起こるものなので、「部分的な終日の男性育児休業」よりも「継続的に男性の育児参加ができる環境整備」の方が子育ての現場では役に立つのではないか、という意見もあります。

企業が男性育児休業を効果的に取得してもらうためには、法律による男性育児休業に加えて次のような対策を検討しても良いのではないでしょうか。

 案1 早く家に帰す

育児中の母にとって、「夫(父)の帰りが遅い」ことは大きなストレスにつながります。母親のワンオペ育児時間が長くなりすぎないように、定時または定時前の退勤をさせることを考えましょう。

あるいは早朝は比較的子育ての用事が少ない時間帯なので、フレックスタイム制導入により早朝出社に切り替えることを検討しても良いでしょう。

案2 テレワーク用のタスクを用意する

男性育児休業取得を阻害している要因の一つに「収入減」があります。育児休業給付があったとしても従来よりも収入が減ることになるため、男性が育児休業を積極的に取りにくくなっているのではないでしょうか。

例えば育児期間中にテレワークで任せられる仕事をあらかじめ用意しておき、出社しなくても収入が維持できる仕組みを考えてはいかがでしょうか。

 

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