2022.04.28
労働保険料と社会保険料の変更について
給与計算
2022年4月から雇用保険料率が上がる予定です。また、協会けんぽ健康保険料率・介護保険料率についても2022年3月分から変更されました。
はじめに
新型コロナウイルス関係の雇用調整助成金等の支給が膨れ上がった影響で、2022年4月から雇用保険料率が上がります。一方で、やはり新型コロナウイルスの影響で協会けんぽの保険料率にも変化がありました。
雇用保険料率
新型コロナウイルスの感染拡大および長期化への対策として拡充している雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金を含む)の支給額が膨らみ、財政状況が厳しくなった現状を受けて2022年度は以下の通り段階的に保険料率が引き上げられることが予定されています。
この表にある通り、4月からの上昇幅は0.05%とわずか(かつ、被保険者負担分は据え置き)で低く抑えられていますが、10月以降は一気に全体で0.4%上昇します。これは保険料の急激な上昇による負担増を考慮して段階的に上昇させることとしたものと思われます。
また、2022年度の年度更新の納付額が急激に増えないように調整したとも取れます。つまり2022年度の概算保険料を計算する際に「4月時点」の保険料を適用することで当該年度の保険料を低く抑えて激変緩和を図ったのかもしれません。なお、2023年度には保険料不足額が大きくなる可能性がありますので、注意が必要です。
健康保険料率
2022年度の協会けんぽの健康保険料率及び介護保険料率は、本年3月分(4月納付分)から変更となりました。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う受診控えなどの影響で保険料率が下がった地域もありますが、少子高齢化の影響等で保険料率が逆に上がった地域もあります。なお、介護保険料は、前回1.8%から1.64%に全国一律で下がりました。
【2022年度に引き上げとなった都道府県】
茨城県9.77%(9.74%)、栃木県9.90%(9.87%)、群馬県9.73%(9.66%)、沖縄県10.09%(9.95%)等
【2022年度に引き下げとなった都道府県】
埼玉県9.71%(9.80%)、千葉県9.76%(9.79%)、東京都9.81%(9.84%)、神奈川県9.85%(9.99%)、大阪府10.22%(10.29%)、福岡県10.21%(10.22%)等
※カッコ内の数字は前回のもの